「障害者が外出するためのパートナーであるガイドヘルパー。

この街はヘルパーが不足していて外出できない人がたくさんいます。」

 

近年、障害者の社会参加を支える移動支援事業の利用は、送迎支援と併せて急増しています。

しかし、ガイドヘルパー不足から充分な対応ができないでいる状況が慢性化しています。

これは公的に認められたサービス利用ができない障害児者がいるという深刻な状況であります。

ガイドヘルパーを増やして状況を改善していく為にキャンペーンを実施します。

 

大田区で暮らす知的障害のある人達の64.2%が「ガイドヘルプを今まで通り、もしくは、もっと使いたい」と言っています。34.0%が「ヘルパーが足りないと言っています。また、大田区で活動しているサービス事業者の52.6%が「スタッフの確保が課題だ」とし、サービスの依頼に対し50.0%が「対応できていない(断っている)ことが時々ある」14.0%が「対応がまったくできない状況にある」と言っています。

 【『2014年2月大田区障害福祉計画・第4期大田区障害福祉計画策定のためのアンケート調査報告書』を参照し作成】

 


いいだしっぺ中村の動機

 

障害があるために単独で外出ができない人たちがいる。

それを公的な移動支援で解消することが認められいるのに、支援者であるガイドヘルパーが足りず、介護事業者は対応できていない。

 

外出ができないってのは、障害者が社会に参加するための前提が成立していないってこと。

家族が対応できなければ、単独で外出ができない障害者を家に閉じ込めているのに等しい状況が放置されている。

 

 

・質の話の前に量だろ、量!

 

「支援者がいなくて対応できない」とか言ってヘラヘラしてる介護事業者がいる。

「そんな奴らクソ素人だ」と僕が言い出したのが7年前。

当時からすでにガイドヘルパー(以下ガイヘル)不足は顕在化していて、特に障害者が通う施設が閉まる土日は、ガイヘル利用希望者の7割、8割に対応できていなかった。

 

どんなにガイヘルが、質の良い対応ができたって、深く深く思慮深く考えこんだ対応できたって、楽しくアクティブな対応ができたって、その日のサービスを受けられないユーザーが1人でもいたら、その時、その人にとってはガイヘルそのものが「ない」ってことでしかない。

 

そんな時に、なにかの漫画で「スープ切れで閉店時間を大幅に切り上げるラーメン屋は素人だ。客の期待に応えられないで、なにが職人だ、プロだ」ってシーンをみて僕はガツーンときた。

 

僕ら事業者が対応できないで平気でいるのが「人間が家の外に出て活動する為のサポート」なんだから洒落にならない。

 

単独で外出が困難な人に、外出する為のサポートが提供されていない状況って、家に閉じ込めているに等しいんじゃねえの?って思ってしまった。

 

・公的にガイドヘルパーを利用できる移動支援は市区町村が実施主体となり民間事業者が対応している。

 

・このサービスは「単独での外出が障害がある為に困難があり、主な介護者(大概は親)が対応できない時に利用できる」もの。

 

これは法律で市区町村による実施が義務つけられている話だ。

 

大田区のHPには、

 

「・移動支援

対象 屋外での移動に著しい制限のある全身性障がい者又は障がい児、知的障がい者又は障がい児、精神障がい者又は障がい児、難病の方(対象の130疾病)のうち、介護者等の状況を勘案して外出時に移動の支援(介護)が必要と認められる方。

視覚障がい者または障がい児の方は状況等により対象となる場合があります。個別にご相談ください。

 

・内容

社会生活上不可欠な外出、及び余暇活動等の社会参加のための外出について支援を行います。

ただし、総合支援法によるその他の外出介護サービス及び介護保険の外出介護サービスが受けられる方は各制度が優先されます。

 なお、支援を受けられる時間数(支給量)は聴き取り調査により決定されます。」

 

って書いてある。

 

・外出時の移動に著しい制限があり、外出時の移動に支援が必要と公的に認められた人が

・同居している親等の同居親族が対応できない時に利用できる

・社会的必要不可欠な外出や社会参加の為の外出の時にって、決まっている。

 

そんなタイトに限定された支援で、他に換えるものがない支援なのに、支援を担うガイドヘルパーが足りなくて、サービスを必要とする人たちが利用できない時がある、、、ってヤバくないか?

 

だれも対応できなくて、必要な時に外出ができない人がいる。

それも、障害者が支援を受けることを公的に行政が認めているのにだよ。

 

ダメダメな状況じゃん!

 

家に閉じ込められている人がいるって状況をなんだと考えている。

 

閉じ込められている人がいるのに、ガイドヘルパーが足りないってことは無視して、支援の質だなんだかんだ言っている介護事業者、行政ってさ、すでに傍観者ではなく加害者なんじゃないか?

やるべきやつがやらないで、自己満足でオナニーしてんじゃねえよ。

 

そんなことを考えて、文句ばっかり言っていても解決に向かいはしないので、僕らが参加している居宅介護事業者の連絡会から状況を解決する為の提案を大田区に昨年提出した。事業者が連携して人材不足に対応できる助成金を作って欲しいって内容だ。

行政からの回答は、ぶっちゃけ、最悪なもので、「人員不足で対応できていないなんて状況は認識していない」ってもの。

 

怒髪天を突くって言葉があるが、そう僕は怒っている。

人員不足で対応できていないのに、「それを解消する取り組みができてなくてゴメンね、色々事情があって対応できないんだよ」ってならまだしも、「そんな事実は知らないよ」って言いやがった。

 

この件は、この件で蹴りをつけなくてはならないが、ウダウダやっているだけじゃ、先に進めない。

 

じゃあ、自分たちでやってやるよ、ふざけんなよ!

 

何回でも言う。

障害があるために単独では外出ができない人たちがいる。

それを公的な移動支援で解消することが認められいるのに、ガイドヘルパーが足りなくて対応できていない人たちがいる。

外出ができないってのは、社会に参加するための前提が成立していないってことで、家に閉じ込めているのに等しい状況が放置されている。

 

こんな状況はぶっ飛ばして、だれもが自由に外出できるようにしたいって思っている。 

 

             ガイドヘルパーから始めよう・キャンペーン 中村和利(特別活動法人 風雷社中代表)